ハワイコンドミニアム購入で「減価償却」を活用した法人税対策とは

ワイキキのコンドミニアムによる不動産事業



これまで個人名義で海外不動産を取得し不動産事業を行う事で、所得税の税効果を享受するスキームが存在しておりました。
2020年の税制改正で、税効果がなくなりました。これで個人の節税対策としてのハワイ不動産は終わりを告げた事になります。
私も何件も売買のお手伝いをしてまいりましたが、こうした節税効果が得られるようなスキームは、やり過ぎると改正になる歴史を繰り返しますね。

タワーマンション節税
生命保険を使った節税
消費税
太陽光発電についても、年々改正が続き、穴が塞がれていくのです。。。

※最新の税制については、国税庁のウェブサイトでご確認下さい。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shotoku.htm

今回改正の対象となったのは、個人名義です。
法人名義によるハワイ不動産取得にはまだまだ「ある効果」が狙えるのです。
その辺りを今回ご紹介していきましょう。

今回取り上げるのは、コンドミニアム(日本で言うマンション)という物件種別です。
何故、法人名義でのコンドミニアムを取得して事業を行う事にメリットがあるのでしょうか?

何故、税対策に有利なのか?

まずは、不動産事業について基本的な事を押さえて行きます。
日本の税制では、不動産を取得し、賃貸事業を行った場合、事業に供した「建物」の取得額は「減価償却」という名目上の経費を計上する事が出来ます。

事業に供したものは経費で計上が出来るのです。

もちろん経費に出来るものは決まりがあり、その処理方法にも決まりがあります。
「事業」する為に使った経費については、その使用した物がどれくらいの期間使えるのか? それぞれ耐用年数が決まってます。

例えば、クルマ、パソコン、造作物などにもそれぞれ耐用年数が定められます。

クルマは車種によっても異なりますが、3年〜5年
工具は種類によって2年〜8年
給排水設備 15年
と、物によって異なってます。

それでは、不動産事業の場合は、どうなっているでしょう。
事業に使うものは、ビルやアパートなどの、お部屋、そう「建物」です。
土地は経費にならないのがポイント。

【参考情報】
国税庁|耐用年数表について

建物にはその構造毎に耐用年数が定められています。

木造ならば22年
RC造ならば47年

です。

ただし

耐用年数を超えた物件の場合、耐用年数がわかりません。
こうした時はどうするのかというと、現行法では
耐用年数が不明の場合、耐用年数の算出には「見積耐用年数」を使って良いとされております。
この位なら持つだろうと法的に定めている訳です。

それが

木造なら4年
RC造りなら9年

です。償却期間が新築に比べて圧倒的に短い点がポイントです。

築年数の古い物件の多いハワイで不動産事業

ハワイの不動産は、ワイキキを中心に築年数が古い物件が多いです。そして、価格の高い物件も多いです。

日本では、一般的には、築年経過と共に建物価値が毀損してく考えです。
よって、耐用年数が終わりになる頃には、新築の時に比べると、10%程度の価値しか残っていない事が多いです。

しかし、米国の場合は、熟成された中古市場は、流動性も高く、建物価値は経年劣化しないという考えがあります。
実際に、米国で不動産事業を行うと、日本と同じく「減価償却」が計上出来るのですが、計上の仕方は、物件を取得した時から何年建物や種別に応じて決まっているのです。

築年数に応じて変わるという考えがないのです。

よってハワイの様に築年数が古くて価値が高い不動産が多い場所であれば、建物取得費を多く計上出来る物件もあるのです。
誤解を与えない様にしなければならないのが、ハワイの不動産は築年数が古くても全て建物比率が高いとも言えないのでご注意下さい。

建物価値が高い利点とは

このお話の最大のポイントが、建物の取得費は経費に出来ると説明致しました。
しかも、その経費は、名目上ですので、実収入から支払いをする様な経費ではないのです。

賃料収入ー経費=事業損益

事業の収支を出す場合、ざっとした算式としては上記になりますが、
減価償却という名目上の経費が多く計上出来てしまう場合、会計上では事業としては赤字になるケースが生まれます。

前提としては
建物取得費が高い=物件価格に対する建物(価値)割合の多いケースに当てはまります。

事業としてハワイに不動産を購入

日本で定められた、耐用年数47年を超えた、鉄筋コンクリート造りのコンドミニアムを取得し不動産賃貸事業ハワイで行うと、結果的に事業損益が赤字になる状況が発生しやすいのがハワイ不動産が人気の理由の一つでもあるのです。

ホテルコンドミニアムという利点

ハワイ独特の不動産種別であるホテルコンドミニアム
ホテルコンドミニアムと呼ばれる物件は、法人で所有するお部屋を、「ホテルマネジメント会社に管理を委託」し、賃貸事業を行う種別の不動産を指します。
賃貸運営を任されたホテルマネジメント会社は、様々なマーケティング活動を通じて、集客してお部屋を目一杯稼働させて賃料収益を得る事を目的として活動する法人です。

ハワイは年間を通じて世界から観光客が多く集まる、特にワイキキ周辺で見かけます。

ハワイならではの不動産と言っても良いでしょう。

ホテルコンドミニアムとしては有名な物件は

ザリッツカールトンレジデンス
トランプタワーワイキキ
アラモアナホテル
イリカイ
ルアナワイキキ

などいくつか存在して、それぞれ物件毎にも特徴があります。

そして、耐用年数を超えたホテルコンドミニアムを挙げると

耐用年数を超えたホテルコンドミニアム事例
・アラモアナホテル
・イリカイ
・バンブー
・リージェンシーオンビーチウォーク
・ワイキキグランドホテル etc..

と、いくつか該当します。

法人として所有する目的例

ハワイイメージ

年間を通じて、安定的な収入が期待出来るこの様な「ホテルコンドミニアム」タイプは、不動産事業目的の他に、

取引先様の接待
従業員への福利厚生

にも活用しやすく、こうした目的で取得されている法人様も多数いらっしゃいます。

・安定賃料収入として
・取引先のおもてなし
・従業員への福利厚生

などを求める場合には、ホテルコンドミニアムは、利用目的に合う不動産種別と言えます。

耐用年数を超えたコンドミニアムで事業を行う事例

では、耐用年数を超えたコンドミニアムで不動産賃貸事業を行った場合、税効果はどの位でしょうか?

例を見てみましょう。

RC造 50万ドルのコンドミニアム
建物比率が90%(実際には、固定資産評価額の土地建物の割合を元に算出します)
上記の内容のコンドミニアム(不動産)を取得したと仮定します。
45万ドルが減価償却総額となりますが見積耐用年数が9年ですので、1年あたりでは、
450,000ドル÷9年=50,000ドルとなります。
仮に年間の賃貸収入から経費を抜いた実質の収入が3%とします。

ネット収入としては、15,000ドル

年間賃料収入15,000ドル ー 減価償却費50,000ドル(1年辺りの償却額)=▲35,000ドル 

上記のケースでは、事業収支は年間3万5000ドルの会計上のマイナスとなります。
(実際には租税公課・管理費等の経費・修繕・などの通常経費も加わりますので赤字幅が大きくなる事もあります)

この様な事になるので
黒字の会社の場合・・・

法人は事業収支は、そのまま、「他の法人収入との合算」となります。
これを当てはめると、上記のケースの場合、35,000ドルの事業収支の赤字を。その他の事業収入と合算するために、法人税の圧縮効果となるのです。
それぞれの法人様の具体的な税効果については専門家の意見をお聞き頂ければと存じます。


事業で黒字が出ている法人が、ハワイで不動産事業を行う事で、法人税の圧縮効果を得る事が出来る点もハワイ不動産を法人名義で取得する理由の一つになっているのです。

税効果は実質繰り延べ効果に過ぎない

良く、この様な効果を、節税効果と表現されているサイトや記事も見かけますが、ややその表現は過大ではないかと思います。

例えば、減価償却を計上すると、会計上は取得額(簿価)が減少します。

先ほどの例を用いて説明すると
50万ドルの内
9年で45万ドルを減価償却で計上していると、
取得額(簿価)は、最終的には5万ドルになっております。

そして、将来、そのコンドミニアムを50万ドルで売却した場合、会計上は、5万ドルで取得したものを50万ドル売却した事になりますので、45万ドルの売却益が出た事になります。
(ここでは売却の経費などの計算は省いておりますので実際はもう少し売却益は少なくなります)

所有して不動産事業をしている間は、確かに、税の圧縮効果を得られたかも知れません。
しかし、売却時には、45万ドルの利益が計上される事になります。

単年度で見たら税圧縮効果はもちろんありますが・・・・
これを節税効果と言えるのでしょうか? 

法人の出口戦略事例

耐用年数を超えたハワイのコンドミニアムを購入した場合の効果的な売却方法はあるのでしょうか?
最も効果を上げるには、その不動産売却タイミングを、法人のその他の事業の状況と、照らし合わせて総合的に考える必要が出て来ます。

例えば
法人税が下がった時
他の事業の赤字が出ている時
キャピタルゲインが大きく出ている時
他の不動産を取得して、事業損益のマイナスが出ている時

などは、良くある事例ですね。

法人の場合は、
必要な時に
減価償却を計上
し、
効果的な時に売却を行う

事が出来るので、まさに納税時期をコントロールする事が出来る点が、まさに法人所有のメリットとも言えます。

タックスコントロール

ハワイ不動産を法人で購入する利点は、

単年の法人税圧縮効果
そして、出口戦略次第では、更なる税効果

も得る事も出来ると言えます。

ハワイ好きな人が法人名義で事業を行う隠れた魅力

法人名義で取得し、不動産事業をハワイ行う場合には、ハワイ不動産の視察や各種申告、銀行口座の開設お手続き、現地の不動産会社とのミーティング等、不動産事業にまつわる業務はございます。その為に、ハワイ渡航が必要になる場合がございます。
そして事業に供した渡航については、もちろん経費計上が出来るのです。

まさに、事業の為にハワイにお越し頂く正当な理由があると言えます。

よって、「税効果の為に海外の不動産が良いらしい」

ならば、折角なら「ハワイ」で所有するのはいかがでしょう。

まだまだあるハワイ不動産の利点

法人の税圧縮効果は、不動産以外にも、例えば、保険商品や、飛行機リースなどあります。
では不動産との違いはなんでしょうか? 

保険や飛行機リース系の税対策商品は、資金の回収までの期間が長い点があります。
また100%保証しているもの、100%以上の効果のものもありますが、資金を寝かせておく期間が7〜10年と長い商品が多いです。

その点、不動産いつでも売る事が出来るのです。
また、すぐに売れなくても、ハワイの不動産を担保に融資を受けられる金融機関も増えて来てますので、一時的にはハワイの不動産を担保に資金の借り入れという事にも利用が出来ます。

ハワイ不動産の利点は、
売買流動性が高く、資金回収についても他の節税商品と呼ばれている商品と比べても流動性が高いのは、大変大きな利点と言えると思います。

とはいえ、何でもかんでもハワイ不動産の流動性が高いとは言えませんので、やはり物件選定はしっかりしていきたい所ですね。



【免責事項】
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*当記事により発生するお客様個々の損害、損失については責任を負いません。

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ハワイ不動産投資らぼ 管理人新井朋也

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