新型コロナウィルスのハワイ不動産マーケットへの影響

2020年7月マーケットデータ

7月のハワイ不動産マーケットについてお届け致します。(2020/08/10追記)
ホノルル不動産協会は以下

According to resales figures released today by the Honolulu Board of REALTORS®, the O‘ahu real estate market is experiencing incremental month-over-month gains in closed sales and new property listings, though year-over-year activity remains down. Pent up demand, low mortgage rates and low inventory continue to drive market activity.

全体的には動きはゆっくりですが、売買件数も増加傾向になってきているとの事です。

成約価格の推移を見てみると
戸建ては
2019年成約数 372件 に対して2020年7月は 372件 -3% 程度です。中間価格は、昨年比-2.4% です。

2019年7月の成約中間価格 $835,000
2020年7月の成約中間価格 $815,000

コンドミニアムは
2019年成約件数 513件に対して2020年7月は 426件 -4.7% と戸建てに比べると鈍化している数字になっております。

この動向に対して

“We are seeing signs of increased activity driven by eager buyers looking to take advantage of record-low interest rates coupled with sellers who are slowly wading back in to put their properties on the market,” said Tricia Nekota, president, Honolulu Board of REALTORS®. “This real estate activity indicates confidence in our local housing market and contributes to the recovery of Hawai‘i’s economy.”

Despite a 3.0% slip in sales for single-family homes compared to this time last year, sales of single-family homes surpassed the average monthly sales for 2019 by 15.3% and marked a 19.5% increase compared to June. Sales of homes in the $700,000 to $899,999 range were up 19.4%, but homes in the $600,000 to $699,999 range saw a 26.5% decrease in sales. The demand for single-family homes remains high with properties spending a near record low-median of 13 days on the market.

この記録的な低金利を利用したバイヤーの活性化により市場の回復が見てきていると協会会長が語っております。
確実に6月に比べて、件数が回復している点がポイントです。
実際に日本人バイヤーよりも先に、地元のバイヤーが動き始めているので、ハワイ不動産への投資を考えられている方は、タイミングをしっかり見ておく必要がありそうですね。

米国緊急利下げ!実質ゼロ金利政策へ



2020年3月に入って、米国で新型コロナウィルスの感染報告が増え、FRBは3月上旬に「政策金利の引き下げ」を発表し、そして2020/03/16には更に「1%の追加利下げ」の発表に至りました。

これで米国の政策金利は0.25% 実質ゼロ金利政策に入った事になります。


一方、日本の場合は既にマイナス0.1%です。

これ以上の下げはもはや意味がないのか・・そういう動きは今の所ありません。
政策金利はローンの借り入れ金利に関係する項目となりますので、経済に影響を与えます。

米国の政策金利の推移を日本と比較してみましょう。

日米2019年度政策金利比較

【日本】
2019年 1月〜12月 -0.10%
【米国】
2019年 1月〜6月 2.50%
2019年 7月〜8月 2.25%
2019年 9月 2.00%
2019年 10月〜12月 1.75%
2020年3月に一気に金利が下がって、0.25%という流れです。

この利下げは、投資活動についてはもちろんプラスです。

借入れの金利が下がる事は、企業の資金調達はもちろん、個人の住宅購入資金のローン金利にもプラス面の働きがあります
米国の一般市民からしてみたら借り入れの金利が安いという事は、この機会に自宅の購入、買い換え、借り換えなどを検討する人が増える事にはなりそうです。

経済が動き始めると同時に、住宅購入の動きは活発化しそうですね。

トランプ大統領の政策には注目!?

2009年のリーマンショック後の低金利時期に住宅購入需要が増えて、ハワイもその後価格の上昇を経験している事もありますので、新型コロナ問題さえ見通しが付けば動くと思っている人は多いはず。
こうした政策金利の利下げには、少なくとも実需(自宅等の購入)については、背中を押す事に繋がりそうですね。
ハワイ不動産の購入を検討されている人にとっては、少なくとも米国の政策の動きと不動産市場価格の連動は考えておいた方が良いでしょう。

新型コロナウィルスの最新情報

最新情報は常に、各団体の情報を確認する事をお勧め致します。

【参考サイト】
◎CDC(疾病予防センター)
https://www.CDC.gov/coronavirus/2019-ncov/index.html
◎ハワイ州保健局
https://health.hawaii.gov/docd/advisories/novel-coronavirus-2019
◎外務省(海外安全ホームページ)
https://www.anzen.mofa.go.jp/
◎厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/simple/delete
領事サービスに関するお問い合わせ(在ホノルル日本国総領事館)
住所:1742 Nuuanu Avenue, Honolulu, Hawaii 96817-3201
電話:(国番号1-市外局番808) 543-3111
FAX:(国番号1-市外局番808) 543-3170
ホームページ http://www.honolulu.us.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

ハワイ不動産投資への影響は?

みなさん、気になるのは、コロナの影響がハワイ不動産にどんな影響を及ぼすのか? もしかしたら価格下落が起こるのか? だと思います。
ハワイの不動産と言えども、購入する人の割合が大きいのは、米国人です。

米国投資家の中では、新型コロナウィルスの動向を見て、(経済対策の動向も含む)、雇用の問題などで


様子見の人
手放したいと思っている人
金利低下により購入に動く人

の選択肢こそありますが、ハワイの2020年5月を振り返って見ても、一時的には、外出制限や、オープンハウスの制限、などもあり、購入手続き的なものが遅くなるので、結果、不動産の流動性自体は鈍化した様にもみえました。しかし、購入者がいなくなって売り物件が市場多くで回った・・という状況にはなってません。

むしろ、4月5月は通年に比べて新規売出し物件の流通量が減少した位です。

リーマンショックや、サブプライムローン問題で、価格が下落した理由は、金融破綻という大きな問題があったからで、ローンが払えなくなった為に、市場に一気に売り物件が出てきたからです。その様な状況では、不動産の価格は常に需要と供給のバランスの上に価格形成がされてますので、価格下落は当然です。

今回のコロナ問題は、失業や、外出規制による経済的な停滞が起こっている事も事実ですが、連邦政府や、州政府の手厚いコロナ対策もあり、これまでの所、一気に、自己破産やローン返済に困る人が生まれていないのです。状況はあの頃とは全く異なります。

今後、どうなるのか?

一つの節目としては、それは6月末の段階の米国の様子をみる必要があります。
連邦の給付金制度も、一旦終了するのが、今定められいる期限が、6月末です。
それ以降は、今の所新しい発表もないので、それ以降、動きがあるかも知れません。

州によって、補助や給付、等の対策が異なるのも米国ならではです。

市場のお金がどこに向かうのか?

もう一つ、押さえるべきポイントは、米国の市場に溢れているお金です。


このお金がどこに向かうのか?でその向かった先の価格が上昇するという事はありそうです。

では、どこに向かう可能性があるのか?

国債でしょうか? 
債権市場でしょうか?

米国債は利回りがあまり出ませんが、安全性という点から、もちろん資金が向かうとは思います。
私的には、多くの資金はリート等の事業用不動産など中心とした、「不動産」に流れ込むのではないかと思ってます。

皆様はどの様な予測を立てられているのでしょうか?

ワイキキで影響の受けやすい不動産種別とは

ハワイイメージ

ワイキキはそのエリア特性から、外国人旅行者向けの収益不動産、観光ビジネス(サービス等)関連が中心ですので、ハワイへの入国制限が長期化すると観光業は特に影響を受けやすいエリアと言えます。
ワイキキエリアでは、外出や渡航制限が本格化した4月以降、次々とホテルが閉業して、今ではホテルの半数近くはバリケードに覆われている様な状況です。

この様に、ワイキキエリア内で、旅行者向けの短期賃貸事業を行っていたケースや、ホテルコンドミニアムと呼ばれる、自室をホテルマネジメント会社に運用委託する方式の不動産種別は、ハワイへの渡航客の減少が長期に続いた場合に影響を受けやすい不動産とも言えます。

こうした「旅行者をターゲットにした不動産事業」は、普段のハワイであれば、世界中から安定した旅行者を集める人気のリゾート地ですから、稼働率の高いホテルブランドは、年間を通じて安定したホテル収益を見込む事も出来ます。
しかし今回の様な予想も付かないような、テロや戦争、感染症による「旅行者減」については、正直脆い側面があると言えます。

ホテルコンドミニアムの価格は?



ワイキキで旅行者を相手にしている、ホテルブランドの付いたコンドミニアム=ホテルコンドミニアムは、

影響受けているんだから下がるでしょ?

と言われるとこれまた困ってしまいます。。。
この先、数ヶ月、また、これからの世界的な状況によっては長期間の稼働率低下、または閉鎖を余儀なくされる事もあるかも知れません。

一般論ですが、収益還元法の観点からすれば、ホテルコンドミニアムに限らず、その物件が年間稼げる収益が減少すれば、もちろん価格(価値)は下がるべきなのですが、この先ウィルスの感染がどの様に収まっていくのかは、私には分かりません。

確実に数年間に渡り影響があり、当然収益が下がる事が確定であれば・・・・流石にその場合は、今の価格を維持する事は出来ないかも知れません。
2020年はホテルコンドミニアムの収益が下がる可能性があるからと言っても、2021年も収益が下がり続けるとまでは言えないので、簡単に収益還元法を当てはめた相場が成立するとも言えないのがです。

この様な中では、オーナー様にとって困った事に事業収益が下がったとしても、毎月の管理費や固定資産税等の固定費の支払いはあります。
長期化する様な場合は、維持費の負担を嫌がって、売却に動くオーナー様もいらっしゃると思います。

その様な場合は、このカテゴリを検討される方にはチャンスとも言えます。

高まるか?自宅購入への動き

繰り返しになってしまいますが、実需(自宅用)として、ニーズの高い物件、エリア・種別については、米国金利低下により、金融機関からの借り入れ環境が改善するので、ここぞとばかりに自宅購入の流れは強まると思われます。 

アラモアナ・カカアコエリア、ハワイカイ、そしてモノレール開通が待たれる西側エリアの流動性上がる可能性は高いと言えます。
もちろん、事業用の不動産への投資活動も、低金利になった事で動き出しています。

現状では、まだバランスとしては

自宅購入の動き(需要)>売りたい人・売らなければならなくなった人

この様な状況と言えますが、今表面化していない新しい問題が生まれた場合、もしかしたら、売らなければならない人が今後増える可能性がありその場合は下がる可能性はありそうです。

ハワイ州の対応について



観光で成り立つハワイだからこそ、このままだとホテル・観光業が壊滅的になってしまいます。
そこで、6月の最新情報では一部の国からの渡航制限を解除する方向で州政府は検討を始めたというニュースも出ております。
ホテル・観光業で成り立つハワイですから、なんらか手を打ってくるのでは無いかと期待しております。

一日でも早い終息を/h3>
新型コロナウィルスには、充分予防に注意を払う必要もございますが、経済面については、ネガティブな事ばかりではありません。現在は経済的にはマイナス面が強調されておりますが、各国の経済対策が具体的になって来ており、そのメリットも投資家の方にとって享受出来るタイミングが来るのは間違いありません。(その為には今は我慢が強いられることもありますが)
今は、世界的に広がりを抑える努力や協力も必要な時期だと思われますが、終息後には動ける様に最新の情報収集をしておくことをおすすめ致します。

一日でも早く、ハワイを目一杯楽しめる様になりますように!

編集:ハワイ不動産投資らぼ 管理人 新井朋也
※不動産投資については、投資リスク等があり、必ずしも利益等を保証するものではありません。

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