ハワイでは共有名義が多いのは何故か?

ハワイと日本の制度の違いを押さえる


ハワイと日本の相続について前提が大きく違う点を押さえておきましょう。

日本では相続を受けた人が相続税を納税します。
しかし、米国では、「遺産税」と訳し、亡くなった方が納税をする考えです。

亡くなった方が?
納税?

と違和感あるかも知れませんが、この点を前提として理解する必要があります。

米国相続手続きの大まかな流れ

米国の相続手続きの流れは簡単に説明すると以下となります。

<不動産を所有する方が亡くなった場合>

1)相続開始

2)相続財産がエステートに移転し、
遺産管理人による管理

3)再建・債務の精算と納税

4)残余財産が相続人に分配

この手続きの一連のながれを「プロベート」と呼びます。

米国では共有は一般的

米国では、プロベートを回避する為に共有名義や、トラスト(信託)を組む場合が多いです。
言い換えれば、個人名義で所有する事は少ないのです。

共有名義について解説します


米国ではポピュラーな夫婦合有(夫婦の共有名義)は、二人の持ち分の規定はなく、
ご夫婦共同で不動産登記をします。
もしもどちらかに何かあった場合は、残りの名義人にその権利は自動的に委譲される仕組みです。
経済活動は夫婦は同一のものとして考える合理的な名義です。

このケースの場合
投資資金はご主人が出資して購入する場合でも、妻には贈与税が掛からないという
背景がある事も押さえるべきポイントです。

ただしこれは、米国人に対する制度ですので
私たち日本人は当てはまらないのです。

またジョイントと呼ばれる、共有名義も、考え方は同じで
共有名義人の中の誰かに万が一が起こった際に、残された名義人へ権利が自動的に移譲されます。

事例としては、
ご夫婦の他、子供達の名義を入れて
家族で所有するというケースも多いです。

米国では、夫婦共有、家族の名前を入れて名義を持つのが
一般的である理由は、「夫婦間の贈与が掛からない」に加えて、

米国では、相続資産の課税対象額が、トランプ政権時代に、その枠が大幅に上がり
一般的な家庭では、相続時の税金の事は考えなくても良い位で

共有名義は合理的なのです。

【参考サイト】https://www.irs.gov/businesses/small-businesses-self-employed/estate-tax
Most relatively simple estates (cash, publicly traded securities, small amounts of other easily valued assets, and no special deductions or elections, or jointly held property) do not require the filing of an estate tax return. A filing is required for estates with combined gross assets and prior taxable gifts exceeding $1,500,000 in 2004 – 2005; $2,000,000 in 2006 – 2008; $3,500,000 for decedents dying in 2009; and $5,000,000 or more for decedent’s dying in 2010 and 2011 (note: there are special rules for decedents dying in 2010); $5,120,000 in 2012, $5,250,000 in 2013, $5,340,000 in 2014, $5,430,000 in 2015, $5,450,000 in 2016, $5,490,000 in 2017, $11,180,000 in 2018, $11,400,000 in 2019, $11,580,000 in 2020, and $11,700,000 in 2021.

この他、トラスト(信託)を立ち上げて、トラスト名義にしておくのも一般的です。
トラストであれば、本人に何かあっても、同じくプロベートを回避出来ます。

繰り返しになりますが、

米国人に対する制度において共有は有効であるが
日本人が同じ感覚で考える訳にはいきせん。

私たち日本に在住する日本人は、ハワイの資産については
米国の法律や制度の影響を受けますが、
同時に、日本の法律や税制の影響も受けるため
日ハ両方を考える必要がある点です。

日本人が注意すべき点

日本人は夫婦間でも年間の非課税枠を超える贈与を行った場合は贈与税の課税がされます。
ハワイの不動産購入の際に、お金を出したのはご主人なのに夫婦共有名義にした場合
当局としては、ご主人からの贈与と指摘されても致し方ないのです。

申し上げたいのは

日米の制度を理解した上で、日本国内で対策をしっかりして
共有名義にする分には予期しない課税問題は起こりづらく
米国のプロベート回避にも有効になります。

プロベート中には制約が

仮に、個人名義で所有し、相続が発生した場合の問題として
最終的に相続人に資産が分配されるまでの間、
(プロベート中)対象となる資産については、売却が出来ないという事も起こり得ます。

問題はこのプロベート手続きは、1年から1年半も(場合によってはそれ以上も)
時間が掛かる場合がございます。

時間以外にも、
管財人として弁護士に依頼をする事になりますが
弁護士費用等のお金が掛かります。

時間と、費用が掛かるのがプロベートの問題です。
そして何よりも残された方にしてみたら
距離・時間・言葉・法律など、相続のタイミングで
非常に負担が大きくなる事もございますのでしっかり計画する必要があります。


最悪のケースも・・・

あまりにもプロベートに時間が掛かった場合
日本で相続税の納税が発生してしまう事も充分考えられます。

日本の相続税は、原則として、法定納期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月目の日)
までに納付することになっています。

ハワイの別荘の売却資金を納税に充てようと思ってたのに!
という様な目論見に支障が出てくる可能性もあります。

この様に
米国では、OK

でも

日本の税制・法律に照らし合わせるとベストな選択肢ではない事も
起こるのが米国に不動産を持つ場合の注意点です。

日本の制度を考慮しハワイに別荘を持つためのサポートを致します。
お気軽にご相談ください。



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ハワイ不動産投資らぼ 管理人新井朋也

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