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ハワイの不動産を売却した時の押さえておくべき税金の話|外国人源泉税・キャピタルゲイン税・譲渡税

外国人がハワイの不動産売却時に掛かる源泉税



外国人である日本人がハワイに所有している不動産(別荘)を売却する際に掛かる税金についてご紹介します。

非居住者(日本人などの外国人)がハワイ不動産を売却する際には、キャピタルゲインが出ていようとキャピタルロス(損失)が出ていようと関係無く、売却価格(成約価額)に対して外国人源泉徴収税が、ハワイ州と連邦政府から、徴収されます。

HARPTA(ハワイ州税) 7.25%
FARPTA(連邦税) 15%
合計 22.25%

例えば
1,000,000ドルで売却した場合
HARPTA ハワイ州源泉徴収 7.25%% 72,500ドル
FIRPTA 連邦源泉徴収 15% 150,000ドル
合計 225,500ドル もの税金が残代金から源泉徴収として控除されます。

外国人源泉税については、仮に売却額が取得額を下回り「売却損」が出ていた場合にも課せられます。

「え!そんなひどい!」
「相当キャピタルゲインが出ていないと売っても意味が無い!?」

と思いますが、そこは、米国確定申告(Tax return)をする事で後日還付されます。
一時的には徴収されますが、後日還付される種類の税金となります。

税還付時期にも注意

しかし、売却の年の翌年に米国確定申告で、還付申請をしたとしても、すぐに還付がされる訳ではありません。
申請から還付までタイムラグがありますので、資金繰りにはタイムラグを計画に入れておく必要があります。
通常は3ヶ月〜5ヶ月程度と言われてますが、あくまでも目安ですので、状況によって異なる様です。

還付期間が長い例
例えば、7月に売却をしたとしても、還付申請は翌年の米国確定申告時期になりますので、年明けからの申請が開始されます。直ぐに申請したとしても数ヶ月先の還付になりますので、3〜5月位の還付になる場合も想定しておいた方が良いでしょう。最近の傾向では、還付金対応が、非常に時間が掛かっているという話を聞いております。充分余裕を持ったスケジュールを計画しておく事をおすすめ致します。

ただし、売却後直ぐに、源泉税早期還付申請を行う事で、(連邦:申請レター、ハワイ州:Form N-288C)早期に還付がされる例もございますので、詳しくはハワイ州の税理士と相談をしながらお手続きをすすめて行きましょう。

*税額等の詳細は、ハワイ州税理士などの専門家にご確認下さい
*情報元 Fidelity National Title&Escrow Of Hawaii より

CONVEYANCE TAX 譲渡税

売却時に掛かる税金のFIRPTA(連邦税)やHARPTA(州税)の他に、CONVEYANCE TAX(譲渡税)が掛かります。
CONVEYANCE TAX rate

【例】
60万ドル〜100万ドル ×0.0025=1500ドル〜
100万ドル〜200万ドル ×0.0040=4000ドル〜

外国人源泉税が22.25%ですので、譲渡税はそれに比べたら低い税率です。(0.1% ~ 1.25% 売却額に税率を掛けると納税額が計算出来ます)
外国人源泉税から、譲渡税を控除した額が還付金の目安にはなりますが・・・・実はまだまだその他考慮しなければならない税金があるのです。
 

キャピタルゲイン税

ハワイの不動産売却して、売却益が出ていた場合は、累進課税でキャピタルゲイン税が課されます。
賃貸事業を行った場合、米国でも減価償却により簿価が減少しているので、この辺りは注意しておかねばならないでしょう。

外国人源泉税 > キャピタルゲイン税 > 譲渡税 

税額としては源泉税が大きいので、よっぽどのキャピタルゲインが発生していない限りは、還付手続きになるのですが、実際の還付金額については、米国での収入や、実際のキャピタルゲイン課税標準額を計算してみないとなりません。この辺りの計算は専門家に計算してもらなわないとなりません。

納税者番号(Individual Tax Identification Number)とは

私たち、日本人(外国人)がハワイ州内で不動産を取得し、賃料収入があった場合には、米国の確定申告が必要です。その際に、必ず納税者番号が必要となりますので、確定申告前には納税者番号取得のお手続きをしましょう。
もちろん取得のお手伝いを致しますのでご相談下さい。

外国人の個人の納税者番号は、ITIN(Individual Tax Identification Number)番号と呼ばれます。
日本法人の場合は、また別途違うお手続きになりますが、法人でも必要です。
法人の場合は、EIN(Employer Identification Number)番号と呼ばれる法人用の納税者番号を取得します。

ITIN番号の取得方法は、米国税理士や弁護士に取得を依頼するのが一般的ですが、日本でのお手続きは、通常は米国大使館に赴き、パスポート認証をする必要があります。パスポートの認証を行ったものと一緒に納税者番号の申請書を米国IRSに提出する事で外国人でもある私たち日本人が納税者番号を取得出来ます。これ以外の方法では、米国税理士がSkypeなどで面談を行い、番号取得申請に関わるお手続きをしてもらえる事もあります。全ての米国税理士が出来る訳ではありませんので、詳しくは税理士にお尋ね下さい。
法人の場合は、日本の登記簿謄本の翻訳なども必要になる場合がございますので詳細はお尋ね下さい。書類が揃ったら、IRSに申請する事で同じく取得する事が出来ます。

一連のお手続きは、サポート致しますのでご安心下さい。

米国の納税者番号が無いとどうなるのか?

納税者番号(Individual Tax Identification Number)が無い場合(法人の場合はEIN)、米国内での賃料収入には米国の源泉徴収がされてしまいます。

源泉税の税率は30%です。

仮に米国で賃料収入が月に2000ドルあったとしても、600ドルは源泉徴収されてしまいます。
収入の30%を取られると収支が厳しくなってしまいますので、借り入れを行っている場合には、CF(キャッシュフロー)には注意しなければなりません。

米国内の賃料収入×30%=源泉徴収

例)1ヶ月レンタル収入 $2,000×30%=$600 収入$1400

源泉された税金(源泉徴収)はどうなるのか?

ただし、この源泉税は、取られっぱなしという事ではありません。

納税者番号を取得した後、翌年の米国確定(タックスリターン)申告を行う際に、既に徴収された分についての還付申請を行います。
ハワイの物件の賃貸運用が始まった後に、納税者番号(ITINまたはEIN)が取得出来れば、それ以降は源泉税が取られなくなりますので、キャッシュフローが気になる場合は、なるべく早めに取得しておいた方が良いでしょう。

【補足】 個人の米国確定申告は、1月〜4月までに行いますが(通常)、外国人の場合は6月まで延長する事が出来ます。この間に米国税理士と打ち合わせしながら申告書の作成を行います。

ハワイ物件取得から米国確定申告までの取得初年度の大まかな流れ


例えば、2020年にハワイに不動産を取得します。
納税者番号が取得出来てないタイミングでも賃貸事業を行う事は可能です。
(ただし、一部のホテルマネジメント会社では、納税者番号が無いと賃貸運用出来ないと言っているところもある様ですので、都度確認しながら進めて参りましょう)

納税者番号(ITIN)の取得前に賃貸事業を行い賃料収入があった場合には、源泉徴収されます。(30%)

途中で納税者番号を取得した場合は、それ以降は源泉徴収が止まります。(賃貸管理会社に提出して止めて貰うお手続きを取ります)

翌年(法人の場合は決算月)の米国確定申告時に還付申請を行います。

還付申請を行うと、適切な処理だった場合には通常は数ヶ月後に還付されます。
(※翌年以降は新たに納税者番号を取得する必要はございません。)

日本の確定申告も必要です!

米国で収入があった場合には、日本国内での確定申告も当然必要となります。
(法人の場合は決算時)それにはハワイ州の税理士と日本の税理士との連携をしっかり取る事が重要ですね!

米国確定申告にかかる費用はどの位?

米国の税理士によって、また所有されている物件の数によって異なります。

仮に1つの物件しかハワイで所有されていない場合の目安

個人名義 500ドル〜1000ドル
法人名義 1000〜1500ドル

申告の内容にもよって報酬額は異なります。
初めての申告の際には、米国税理士(CPA等)を何名かご紹介致しますのでお気軽にご相談下さい。

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