2020年固定資産税評価額から見るハワイ不動産マーケット動向

毎年評価額が見直しがあるのがハワイ流



ハワイ州の固定資産評価額毎年10月頃に決まります。
新年度の評価額は、翌年の7月〜12月(前期)、1月〜6月(後期)の固定資産税額に反映される仕組みです。

今年10月に発表された新評価額は、来年2021年の7月20日以降の税額の元になります。

固定資産評価額の決定方法とは?

固定資産評価方法の内容にこれまで不思議なケースが散見されたので、疑問に思い過去一度調べた事があります。
ハワイ州固定資産税を統括している部署に問い合わせると、ハワイ州の担当者は

「当該建物、または周辺の取引価格等を鑑みて決定する」

というお役所のお決まりの様な答えしか出てこず、実際の根拠詳細は不明のままです。

取引価格を鑑みて評価

この行政側の言葉が示すとおり、実際にも固定資産評価額は、その年のマーケット価格が上昇した場合、評価額も連動して上がっているのが確認出来ているので、担当の言っている通りでもあります。

固定資産評価額の推移は、マーケット価格の推移と近い

大凡はこの様な動きになります。
あくまでも大凡です。

ワイキキエリアの主要物件の固定資産税評価額事例

実際の物件事例を見ながらその検証をしてみましょう。まずは、ワイキキエリアからスタート!

トランプタワーワイキキ



サンプルとして、#01タイプのスタジオユニット事例です


トランプタワーワイキキと言えばワイキキ中心地の最高のロケーションに建つ物件で、ホテル運営を主としたまさにリゾート物件の王道のコンドミニアムです。

【参考】
2009年に竣工したトランプタワーワイキキは竣工段階では、前年取引実績は存在しない為、実績を鑑みた固定資産評価額が決定されるのは翌年分からになります。
また、ハワイに新築を購入された場合、購入後翌年の固定資産税は安く、翌々年から急に納税額が上がるのはこの仕組みの為です。


2020年の評価額 $455,000
2021年の評価額 $332,200

▲-26.9%

2019年の評価額が$450,500から、$332,200に下がっています。
コロナウィルス感染拡大の影響を受けたリゾート向け物件は、不動産マーケットの中では、居住用物件と異なる動きである事も押さえておかねばなりません。

アイランドコロニー



アイランドコロニーは、ワイキキ中心地に建つ大規模コンドミニアムで、30万ドル前後で購入出来る物件として多くの方に人気があります。
ロケーションの良さから、リゾート需要向けに短期賃貸をしているお部屋や別荘、居住用として利用もある珍しいタイプのコンドミニアムです。
建物戸数も多く、常に流通量も多いこの物件がどの様な評価になったのか見てみましょう。

サンプルとしては、中層階のダイヤモンドヘッド側のスタジオユニット事例です。


2020年の評価額 $245,000
2021年の評価額 $245,900

固定資産評価額は殆ど変わっておりません。
トランプタワーワイキキとは異なる動きである事に注目ですね。

比較として、ワイキキ西側の居住ニーズの強いエリアの物件を見てます。

ヴィラオンイートンスクエア



ヴィラオンイートンスクエアは、ワイキキの西側エリアに建つ、商業複合型のコンドミニアムで利便性の良さから長期滞在、別荘としてニーズの高い物件です。
サンプルとしては、低層階1ベッドタイプの事例です。


2020年の評価額 $407,900
2021年の評価額 $358,700

▲-12%

少し評価額は下がっていますね。
念のために高層階フロアの事例も比較で見てみます
サンプルは21階の1BEDタイプです。


2020年の評価額 $437,000
2021年の評価額 $371,900

▲-14.89%

高層階でも評価額が下がっています。
居住用ニーズが多い物件でも2019年〜2020年のマーケットはやや価格調整が入ったと想定されます。

カネオヘエリアの木造タウンハウス事例

ワイキキからも20〜30分圏内のアクセスで行けるエリアです。木造物件と言うと、日本人高所得者向けに<節税対策>として売れに売れた木造タウンハウスの事例を見てみましょう。

ハイクポイント2



この物件は建物比率が突出して高く、特に人気を集めた物件ですね。


2020年の評価額 $557,300
2021年の評価額 $475,800

▲-14.6%

日本人が高買いしなくなった反動が出たのか、ワイキキ同様に少し評価額が下がっている事がわかります。
特に、このハイクポイント2という物件は税効果が高かったという事もあり、相場よりも多少高めで取引が行われていた物件ですので調整はやむを得ないかも知れません。

ウィンドワードエステート

ハイクポイントについては、特殊な事情もありますので、参考に近くの物件でも比較してみます。
ハイクポイント2の隣接地に建つ物件で、ウィンドワードエステートというコンドミニアムになります。


ウィンドワードエステートは1ユニット辺りの建物面積が広いのが特徴ですね。

サンプルは2BEDタイプ、1,231sfのお部屋です。


2020年の評価額 $394,300
2021年の評価額 $383,500

▲-2.7%

ハイクポイント2とは、ほぼロケーション的には変わらないのですが、評価額自体はそれ程落ちていないという事例です。
物件へのアクセスは道路からの入口は一緒で、広大なエリア内に隣接している形の2物件ですが、これほど近い物件で評価額が異なる出方をしている点に注目です。
もちろん二物件ともコンセプトや共有施設、お部屋の面積も異なりますので、違いは出るのは当たり前ですが、ここまで大きな差になるのは面白いですね。

EWAエリアの木造タウンハウス事例

次は、一気にオアフ島西側の新興住宅地、EWA(エヴァ)をチェックしてみましょう。
このEWAエリアは、日本人投資家の<節税対策>での購入も多かったエリアですが、それよりもニーズが高いのは
ハワイの一般的な収入があるファミリーが、自宅用に購入する際、人気の価格帯である30万ドル〜50万ドル台の物件が多く見つかるエリアの為に、地元バイヤーの割合が多いという点が特徴です。

流動性の高いエリアと言えます。

パームビラ2



エヴァ(EWA)エリアの中心地に程近いロケーションで、これから完成を待つホノルルレールトランジットの新駅にもアクセスがしやすい物件です。
サンプルとして、2BEDユニット、717sfのお部屋事例です。


2020年の評価額 $262,200
2021年の評価額 $271,500

+3.5%

ワイキキエリアとは、やはり異なる動きですね。
昨年の評価額に比べて3%程度の上昇が見られます。

2020年の取引状況を見ても、米国の住宅ローン金利の低下を受けて活発に取引がされている同エリアは、コロナ禍でも価格が落ちていない状況です。暫くは固定資産評価額も上昇傾向が続くかも知れませんね。

固定資産評価額について

評価額が上がるという事は、それだけマーケットが上昇しているという事で、既存オーナー様にとっては利点で嬉しい事ですが、反面、評価額に対する固定資産税額も上がってしまうので悩ましい所ではあります。
ハワイで不動産を取得される場合、収支計算は既存のレートで計算するしかありませんが、数年先にマーケットが上昇している場合には維持コストが上昇する事も考えておかねばなりません。

固定資産税
管理費

この2点については、場合によっては上昇する事を考えて、素敵なハワイライフプランを立てて頂ければと存じます。

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ハワイ不動産投資らぼ 管理人新井朋也

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